「アイピルとは」 一覧
SEXをした際の避妊がうまくいかなかったときに、そのまま放置しておけば言うまでも無く妊娠してしまう確率が極めて高くなります。
それは自分では予想していなかった妊娠だと言えますし、もし学生だった場合や結婚をしていない場合には人生設計が大きく狂ってしまうことにもなりかねません。
妊娠後に中絶を行うと言う方法もありますが、それは体への負担も大きいですし、心の傷と言う面でもあまりおすすめできる方法とは言えないでしょう。
もしSEXを行った際の妊娠回避出来なかったときには、現在では緊急避妊薬(アフターピル)を使用すると妊娠のリスクを大幅に軽減することが可能となるわけです。
アフターピルにも種類があるので、まずはそれぞれの違いを理解することが必要です。
緊急避妊薬にはヤッペ法(プラノバール)とノルレボ錠の2種類に大別される
アフターピルには大きく分けてヤッペ法とノルレボ錠という2種類があり、どちらを使った場合でもSEX後の避妊が可能です。
ではこの2つの何が違うのかというと、基本的には使用する薬と使用方法が異なることになります。
ヤッペ法(プラノバール)
まずヤッペという方法は昔からあるやり方で、ノルレボが登場するまではこのヤッペ法が緊急での避妊法として利用されており現在も効果のある方法です。
ヤッペ法はアルバート・ヤッペという医師が考えた方法で、プラノバールを使用して強制的に避妊を行う方法となります。使用される薬のプラノバールは本来不妊治療などに使用されるもので、女性のホルモンバランスを調整することができる薬です。
妊娠しづらい人の場合、体内の女性ホルモンのバランスが崩れていることが要因となる場合も多く、それをプラノバールで整え妊娠しやすくすることが出来ます。
女性ホルモンには黄体ホルモンと卵胞ホルモンの2種類があり、どちらかが優位になることで妊娠しやすくなったり、生理を起こしたりしています。
プラノバールにはエチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)とレボノルゲストレル(黄体ホルモン)の両方が含まれており、それにより女性ホルモンを調整することが出来るわけです。
逆に考えればプラノバールを使用することで妊娠しづらい状況を人工的に作り出すことが出来、それが避妊の効果を生み出します。
ヤッペ法の場合はプラノバールを2回使用することで効果を得られます。しかしこの2回の使用が面倒であるとともに副作用が起こる確率も高い方法と言えます。
ノルレボ錠
ノルレボ錠はヤッペ法よりも後発で登場した緊急避妊薬で、プラノバールとは異なり緊急避妊のためだけに登場した薬です。1回の服用で効果があるため処方されるのもこのノルレボ錠が大半を占めてきています。
ノルレボ錠は黄体ホルモンのレボノルゲストレルを主成分としており、それを服用することで体内の黄体ホルモン量を増やし、卵子の排卵を抑制し着床を防ぐことが出来ます。
副作用に関してもヤッペ法よりも大幅に少なく避妊率も高いので利用者が増えている薬です。
緊急避妊薬アイピルの仕組み
アイピルの仕組みはヤッペ法ではなくノルレボ錠と同じ仕組みで避妊をすることが出来ます。これはアイピルがノルレボのジェネリック品のため使用している成分がほとんど同じだからです。
アイピルもノルレボのジェネリック品として登場してきたという経緯があります。
仕組みとしてはアイピルの主成分のレボノルゲストレルが体内のホルモンのバランスを狂わすことで強制的に避妊を行うことが出来る仕組みとなっています。
黄体ホルモンのレボノルゲストレルを一気に増加させることで生理と同じような状態を作り出し避妊を行うことが出来ます。
緊急避妊薬アイピルの使い方
アイピルの使用法はとても簡単で、避妊がうまくいかなかった場合に飲むだけで効き目が得られます。
基本的な使い方としては1回に1.5mgの黄体ホルモンを含むアイピルを1錠服用するだけですぐに効果が発揮されます。使用する場合には72時間以内の使用が必要となりますし、時間が経てばそれだけ避妊の確率が低くなっていくという特徴もあります。
最も避妊の効果が高まるのはSEXをしてから12時間以内の使用が効果的で、その後は少しずつ緩やかに避妊率が下がっていきます。
72時間以内であれば90%以上の高い避妊率となるわけですが、それを超えれば服用しても効果が得られない場合もあるので時間との勝負だと考えたほうが良いでしょう。
連続での服用は出来ませんので、使い方を正しく守って利用する必要があります。
緊急避妊薬アイピルの注意点
アイピルを使用する場合の注意点としては、自分の判断で使用してはいけないということが挙げられます。アイピルは人工的に妊娠をし辛くするための薬ですので、その用途が決められているとともに用法や容量も厳しく定められています。
それを無視して自分の判断で使用してしまうと本来の効果を得ることが出来ないということが起こる恐れがありますし、定められた量よりも少ない使用であれば避妊できない可能性が高まります。
多く使用すると体内のホルモンバランスが急激に変化しすぎてしまうので、体調不良だけでなく重篤な症状を発症することも考えられます。
アイピルを使用した場合ノルレボと同じような内容で出来ているのでノルレボで起こる副作用も同じように起こります。
そのため使う場合には誰でもほぼ必ず副作用があるということを理解した上で使用する必要もあるわけです。
過去にノルレボを使った経験があり、その際にアレルギー症状などを発症したことがある場合には、アイピルも体に合わない可能性が極めて高いと考えられるので、使用は控えたほうが良いケースもあります。
後からでも避妊が可能な薬ではありますが、使用した際のデメリットも正しく知っておかないと思わぬトラブルが発生することもありますし、決められた方法を守らないまま使用した場合には避妊失敗による妊娠もあり得ると考える必要があるでしょう。
それと飲んだから必ず避妊できるわけではないことも理解しておきましょう。
そのため、不安な方はアイピルの効果・副作用・服用方法についてしっかりと勉強し、SEXの後で失敗してしまったなどの不安対策のために正しく使いましょう。